幸福の方程式 山田昌弘+電通チームハピネス [幸福な消費論]
幸福の方程式 山田昌弘+電通チームハピネス
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009年9月10日 第1刷
1050円 読書時間60分
”パラサイトシングル”、”婚活”と時代を反映した新語を生み出す才能は
広告代理店以上の山田先生。
今どきの若者の幸福を語る上で、欠かせない存在です。
この本は前書きで、消費よりも精神的豊かさが大切なんて議論は60年代末からあり
(インド放浪とか、ヒッピー文化とか)、それでもなお、たしたちが物質的豊かさを
求め続けるのはなぜか?と問題提起。なるほどと、本文への期待が高まります。
一番、納得したのは
”企業は、幸福をもたらすと信じられるモノを作って売るのではなく、人々が幸福になることを
サポートすることに利益を得る”ようになるという指摘。
昭和の消費ってのは、まわりと同じように、カラーテレビやクーラーや自動車を買うことで
その消費自体が幸福をもたらしていた。それ自体が大きな物語だったとも言える。
結婚指輪(マリッジリング)や婚約指輪(エンゲージリング)もまさにそうで
当初は、まわりと同じように、ダイヤモンドの婚約指輪が買えることが幸福そのもの
だったんじゃないのかな。
それが今では、結婚指輪や婚約指輪に何らかの意味を付加して、カップルの幸せを
サポートするものに変化している。
そして、これから先に用意されている幸福の物語は、以下の3つと指摘。
1、自分を極める物語(自分の満足を追求)
2、社会に貢献する物語(自分の生きる意味に納得感をみつける)
3、人間関係の中にある物語(自分の居場所を確保すること)
消費は、それぞれの物語の成就をサポートする道具ということだ。
結婚指輪(マリッジリング)のWEB販売を営む私にとっては、
”自分たちの生き方を肯定する、しるしとしての結婚指輪(マリッジリング)”
を開発・販売するのがこれからの仕事だと考えましたが、いかがでしょうか。